SIerで働くエンジニアであれば打合せのための資料作成と調整ばかりでせっかくIT企業に入ったにもかかわらず技術力が身につかないと不安になったことは一度はあると思います。
こうしたことについて、現役バリバリのシステムエンジニアの立場から、どうしてSIerで働くエンジニアは資料作成と調整ごとばばかりなのかについて考え、どうしていくべきかを考えたいと思います。
SIerで働くエンジニアの仕事内容とは
ここでいうSIerとは、プライムで元請けとなるベンダーのこととしたいと思います。ビジネスパートナー(BP)を下に抱えて、システム開発を行いながらできるだけ多くの要員をまとめることで規模を出し、労働集約型で売上を上げていくビジネスモデルを行っているSIerをイメージしてください。
そのようなSIerで働くプロパーエンジニアの仕事は大きく2つです。それが、資料作成と調整ごとです。
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資料作成
SIerプロパーは一日中、打合せで予定がびっしり埋まっていることも珍しくありません。顧客との打合せ、プロジェクトメンバーとの打合せ、上司への報告のため打合せ、他チームとの情報共有の打合せなど、打合せばかりです。
打合せがあるということは、その打合せに向けて検討資料や報告資料を作成します。
顧客と要件を詰めるための要件検討のための資料や進捗報告するための資料作成、プロジェクトメンバーに作業出しをするためのドキュメント作成など、山のように資料を作成する必要があるというわけです。
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調整ごと
プロジェクトメンバーをまとめてプロジェクトを進める立場にあること、顧客と折衝する立場にあることから、様々な調整ごとを行います。また、自社の別部署とも連携をとって一緒にプロジェクトを進めることもあります。
そのため、本当に様々な関係各所とコミュニケーションをとり、バランスを取りながらプロジェクトを推進していくことが求められています。これが調整ばかりしていると言われる理由です。
例えば、仮に自分自身が要件を詰めることはせずに、BPに顧客との要件詰めを直接してもらう場合であっても、SIerのプロパーが打合せの日程調整を行うことも多いです。そのため、SIerで働くエンジニアのこと揶揄する言葉として、調整系エンジニアと言われることもあります。
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SIerで身に付く技術力とは
では、このような仕事をしているSIerで働くエンジニアが身に付く技術力とは一体何でしょうか?また、身に付かない技術力とは何でしょうか?
身に付く技術力
SIerプロパーに身に付く技術力は、マネジメント能力です。
「それ、技術力かよ」とのご指摘をいただきそうですが、正にご指摘の通りかと思います。ただ、考え方次第です。
システム開発というのはその1つ1つが難易度の高いプロジェクトです。BPをはじめとするプロジェクトメンバーをまとめて、プロジェクトを推進し、顧客が求めるシステムを作るためには、プロジェクトマネジメントのスキルは欠かせません。そういう意味ではマネジメント能力も立派な技術といってよいかと思います。
SIerのプロパーとしてプロジェクトに関わっていれば、大なり小なりマネジメントをする立場になっていきますので、自然とプロジェクトマネジメントのスキルが身についていきます。
そもそもプロジェクトマネジメントとはどういうものか知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
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身に付かない技術力
一方で、身に付かない技術力は、システム実装力です。平たくいえば、プログラミングスキルです。少し抽象的にいえば、自ら手を動かして問題解決する力です。
SIerで働くエンジニアは、基本的に手を動かすことを仕事にしていません。仕事を考えて、どう仕事を進めればプロジェクトが進むのかを考え、プロジェクトメンバーに作業を振る立場です。そのため、実際に手を動かして何かを作る、何かを調べるということはそれほど多くありません。
そのため、システムを実際に作る力はなかなか身に付きません。当然、新しい技術を使う機会も多くないため、最新技術のキャッチアップなんかもなかなかできないというのが実情です。
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どうしていくべきか
では、SIerで働くエンジニアが資料作成や調整ごとばかりではなく、IT業界に身を置く立場としてシステム実装力も身に着けていくためには、どうしていくべきでしょうか。
独学
1つは独学です。IT業界は、勉強が好きでなければ続かないという声をよく耳にしますが、こうしたシステム実装力を自らキャッチアップする姿勢が必要だということも、よく耳にする理由の1つです。
資格取得や各種ベンダーが公開しているセミナーやハンズオン資料などを休日などに実施していくことで、普段資料作成や調整ばかりで鈍ったシステム実装力を鍛える必要があります。
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転職・異動
わかりやすのが転職です。システム実装力を身に着けたいのであれば、SIer、特にプライムベンダーに身を置くことは最適ではありません。LINEヤフーやDeNAなどのメガベンチャーに転職した方がシステム実装力は身に付きます。もしくは、プライムベンダーの下につくBPの立場になってプロジェクトに携わることです。
それでもプライムベンダーのSIerの方が合っているという方は、会社内での異動を考えると良いです。SIerの中にも技術支援をしている部署など、システム実装力を鍛えることができる部署はあると思います。そのため、そうした部署に異動を希望することもお勧めできます。
ただ、結局はSIerであることに変わりはありませんので、資料作成や調整ごとの比重が大きいということは覚悟を持っておいた方がよいと思います。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。SIerの魅力はたくさんあります。しかし、資料作成や調整ばかりしているというのもまた事実かと思います。
システム開発にどのように関わりたいかを良く考えと、自分にとって良い環境が見つかるかと思いますので、日々自分自身と向き合ってみると良いかもしれません。
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