このシリーズは、私がこれまで経験したプロジェクトで培ったマネジメントノウハウを、PMBOKの知識体系に沿って、駆け出しPMの方々や新入社員向けの読み物的な位置づけでノウハウや考え方をまとめています。ぜひご覧ください。
まず、調達マネジメントにおける各プロセスは以下の通り。
PMBOKでは、「必要なプロダクト、サービス、あるいは所産をプロジェクト・チームの外部から購入または取得するために必要なプロセスからなる」と定義されています。
実際の現場としては、協力会社(BP)の調達、開発ツールの調達(購入・契約)に当たります。
私自身が行ってきた協力会社の調達の経験も参考にして、解説していきたいと思います。
契約
契約には、大前提として派遣契約、請負契約の2つがあります。
これらの詳細や契約時の注意点については、専門のサイトであったりを参考にしてもらえればと思いますが、ざっくり現場レベルでの認識は以下のようなイメージで捉えておけばよいかと思います。
・派遣契約
善管注意義務違反にならないように、善処します。という契約。
どのような作業をするか、アウトプットを出すかについては週次(月次)単位で合意しながらプロジェクトを進める必要があります。
・請負契約
完成責任を負う。極論、契約時点で約束(合意)したものさえ出来上がれば文句はない契約です。
要因調達の流れ
協力会社を調達するまでの流れについて、若手や新人の方向けに説明をしたいと思います。
昨今は言うまでもなく、人材不足で、ましてや優秀な人を連れてくることはなかなかできません。
そのため、BP会社側での調整のことを考えると、遅くても調達・探索の時間や契約の準備期間を考えると、2~3か月前には増員なりの依頼をかけないと調達は間に合わないというのが実態です。
(それでも2か月前の場合は、空いた人が来るだけなので人数合わせにしかならないことがほとんど。。)
また、忘れてはいけないのが減員する時です。
こちらの都合で来月から一方的に契約を切ることは決してできません。
そのため、同じく2~3か月前には減員する旨を伝えなければいけません。
とはいえ、たまたま優秀な人材が3月時点で空いていれば良いですが、そんな人が都合よく要員が空く訳もなく、空いたとしても大抵の場合は他の現場に既に決まっていることがほとんどです。
ましてや1月時点でプロジェクトに参加していない人が優秀である確率を考えたらお察しのレベルです。
だからこそ、しっかりとした計画のもとで、どれくらいの時期にどのようなスキルセットの人がどれくらい必要になるかを計画立てして、要員計画を立てなければいけないのです。
顧客に対してもこの問題はしっかりと伝え、要員調達に時間がかかることを理解してもらい、顧客側にもどのような開発案件が控えているのか早め早めに情報を出してもらい、情報提供をお願いしていく必要があります。
決して自分達だけでどうこうできる問題だけではありませんので、周囲を巻き込みながら要員計画を立てることが求められます。
開発ツールの調達
プロジェクト単位で契約することもあれば、部署ごとに契約することもあります。
ミドルウェアなどのソフトウェアの購入やライセンス購入などがこれらに該当します。これらの開発ツールの調達について、顧客側が調達するのか、ベンダー側が調達するのか、顧客との間で取り決めておきましょう。
開発ツール以外にも、コミュニケーションツール(Teams、Slack、Zoomなど)やファイル共有サービス(Box、Sharepointなど)をどちら側が準備するのかも事前に決めておきます。
また、基本的には調達した方がそのツールの所有権を持つことになりますが、ベンダーがソフトウェア販売元から購入した方が仕切価格が良いために、ベンダーが顧客の代わりに調達してあげることもあります。
これらはケースバイケースのため、顧客と確認のうえで調達を進めましょう。
まとめ
PMBOK的にはもっと様々なことが謳われているが、現場レベルで特に意識したいことをまとめてみました。ぜひ何かの参考になれば嬉しいです。
参考文献
・情報処理教科書 プロジェクトマネージャ (三好康之著)
私は2019年度版を参考にしています。
・プロジェクトマネジメント実践講座 伊藤大輔(著)
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