今回は、IT業界、SIer業界で良く耳にするプロジェクトマネージャー(PM)、システムエンジニア(SE)、プログラマー(PG)について、その仕事内容の違いから役割、必要なスキル、そして最後には年収についても考えていきたいと思います。
私はSIer業界で約10年仕事してきました。私自身、この3つの役割、すべてで仕事してきましたので、その経験から言えることをまとめていきます。
仕事内容
プロジェクトマネージャーの仕事内容
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトのQCDに責任と権限を持ち、プロジェクトを推進することが求められます。
具体的には、プロジェクト課題の管理、リスク管理、要員管理、品質管理、コスト管理、スケジュール管理などを行いながら、プロジェクトを前に進める役割です。
平たくいえば、プロジェクトに必要な”あれこれ”を調整しながら、プロジェクトが前に進むためには何でもやる人であり、その裁量が与えられた人です。
プロジェクトマネージャーの仕事についてはこちらの記事でも考察しているため合わせてご覧ください。
システムエンジニアの仕事内容
システムエンジニアは、顧客と仕様を詰め、要件定義書の作成や、設計書の作成を行います。もしくは、請負先の企業が作った成果物をレビューします。
上級SEになるにつれて、基本的にあまり手を動かして何かを作るというよりは、誰かが作成したモノを確認することが仕事となることが多いです。そして、作業を指示、依頼する側になっていきます。
しかし、仕上がった成果物が正しいかどうか判断するために、そして、作業を指示、依頼するためには、自分自身が誰よりも要件と仕様を理解しておく必要があるのもまた事実です。
プログラマーの仕事内容
プログラマーは、分かりやすくプログラミングする人たちとなります。システムエンジニアが作成した設計書をもとに、実際に製造していきます。
ただ、プログラミングだけではなく、テスト仕様書の作成、テスト実施も行います。
基本的には作業者ということで、手を動かして成果物を仕上げていくことが求めれれます。
要件定義など製造が伴わないような工程から参画する場合は、現行システムの調査を行うこともあります。要するに、プログラムの解析を担当することも多いです。そのため、別の人が書いたプログラムを読み解いて、現行仕様の状態をシステムエンジニアに報告することもあります。
必要なスキル
プロジェクトマネージャーに必要なスキル
当然、プロジェクトマネジメントに関する知識、経験が必要です。PMPやプロジェクトマネージャー試験(IPA)などの各種資格をもとに体系的な勉強をすることも可能です。
一方で、知識面だけではなく、人間力も必要となります。
システムエンジニアやプログラマーといったプロジェクトメンバーを引っ張ることは勿論、顧客からの信頼を獲得することも欠かせません。
また、プロジェクトの全責任を負うということからも、精神的にもタフである必要があります。
システムエンジニアに必要なスキル
システム開発に関する技術力は勿論必須です。開発言語に関する理解は勿論、データベース、ネットワーク、各種ベンダーが出すミドルウェアの知識なども必要です。すべてを最初から知っておく必要はありません。ただし、必要になった時にその都度勉強して、キャッチアップし理解する力が求められます。
今の時代、調べればある程度のことは分かります。そのため、知っている前提でなんでも仕事は進みますので、ITのプロとして知らないでは済まされないことが多いです。
システム開発、ITスキルは勿論ですが、顧客と要件仕様を詰める立場であることからも、顧客業務に関する業務知識も必須となります。
基幹系システムであれば簿記や経理知識、販売業務・購買業務に関する知識や、法令に関する知識など、システム面の知識だけでなく、顧客と同じ土俵で打合せができるような業務知識が求められます。
プログラマーに必要なスキル
言わずもがな、プログラミングスキルは欠かせません。
しかし、それだけではなく、前述した通り、別の人が書いたプログラムを解析することも多いため、解析した内容を整理して資料化する、ドキュメント作成能力も必要となります。調べたことをきちんとまとめて、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーに報告するスキルが求められます。そのため、最低限度のコミュニケーションスキル、論理的に説明する力は必要です。
また、単体テストを作成することも多いため、テスト設計に関する知識(例えば、条件網羅、判定網羅、境界値テスト、同値テストと聞いてピンと来るなど)も必須となります。
最後にやや抽象的なスキルをあげるとするならば、1つ1つの作業をきっちりとこなしていく几帳面さがあると、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーをはじめ、プロジェクトで信頼され、必要とされるようになります。
年収・単価
プロジェクトマネージャーの年収・単価
俗にいう大手SIerの平均年収+αであったり、プライムベンダーと言われるSIerの平均年収+αであったりをイメージしてもらえると良いかと思います。
ずばり700万~1000万がイメージする範囲となります。単価はこのあたりの金額帯を月割りした後に、経費分を割戻した金額になります。経費については、会社によってまちまちですが、フリーランスであれば経費を控除できるなどのメリットがあります。
こちらのサイトに掲載されているような企業であったり、この企業の中で昇格・出世したレベルと考えていただければそこまで遠くない感覚値かと思います。
システムエンジニアの年収・単価
大手SIerやプライムベンダーの中堅社員または、サブリーダー、チームリーダーをイメージしてもらえると良いかと思います。大手SIerやプライムベンダーから仕事を請け負うBP会社でリーダーを担うようなレベルが当てはまると思っていただければと思います。
ずばり、500万~800万をイメージしていただければ、乖離はないかと思います。PMの単価の80%というのが相場と言われています。
先ほど掲載した年収ランキングに掲載のある企業の平均かちょっと下あたりとイメージしてもらえると良いかと思います。
プログラマーの年収・単価
大手SIerやプライムベンダーの若手社員、またはプライムベンダーから仕事を請け負うBP会社の中堅~若手といったところをイメージしてもらえればと思います。
ずばり、400万~600万といったところです。単価はPMからSEの単価を考えた時と同じく、SEの単価から80%掛けすると相場になるかと思います。
プログラマーからシステムエンジニア、プロジェクトマネージャーへのキャリアアップしていくケースが多い日本ではどうしてもプログラマーの年収が一番低くなりがちです。今回はSIer、しかも会社員にスポットを当ててきましたが、メガベンチャーのエンジニアやソフトウェアエンジニア、フリーランスの場合は、こうした年収帯とはまた異なってくるかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
プロジェクトは何人もの人たちが関わって、それぞれの役割に沿って仕事を進めていきます。それぞれが求められる仕事を1つずつ達成していくことで、プロジェクトは成功に一歩ずつ近づきます。
プロジェクトマネージャー、システムエンジニア、プログラマーの違いや役割について少しでもイメージができれば幸いです。
コメント