パッケージ開発とスクラッチ開発とを比較した際に、パッケージ開発は”つまらない”という声を耳にします。
私は、スクラッチ開発もパッケージ開発も両方とも経験してきました。
だからこそ、パッケージ開発のつまらないところ、面白いところの両面がわかっているつもりです。
ですので、今回は、パッケージ開発の面白さと、つまらなさの両面についてまとめていきたいと思います。
今回の内容が、キャリア選択の1つの参考になれば嬉しいです。
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スクラッチ開発とパッケージ開発の違い
まず、パッケージ開発が面白いか、つまらないかを考えるにあたっては、大前提としてスクラッチ開発とパッケージ開発の違いについて整理したいと思います。導入手順などの違いはここでは割愛し、もっと大雑把に、それぞれでITエンジニアに求められること、重要視されていることを整理します。
端的にいうと、パッケージ開発=業務重視、スクラッチ開発=技術重視ということができます。
この前提を抑えておくとパッケージ開発とスクラッチ開発の違いについてより理解が深まると思います。
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パッケージ開発の面白いところ
スクラッチ開発とパッケージ開発の違いを一言で整理し、パッケージ開発は業務重視ということをお伝えしました。そこで、パッケージ開発の面白さをお伝えします。
パッケージ開発、導入の面白いところは、経験を積めば積むほど、応用が効くようになり、専門性が高まることです。
例えば、販売管理系のパッケージシステムの開発、導入に携わったとします。しかもその中でも、商社向けの導入、開発に携わったとします。そうすると、一度商社向けの導入を経験すれば、次の案件で別の商社向けの案件があれば、その時の知識を活かすことができます。
そうして、プロジェクトをいくつもこなしていくことで、顧客よりも業務に詳しい専門家になることができます。
「この業務は一般的にはこのようにやっているので、御社でもこのように業務を変えることはできませんか?」といったように、どちらかというとエンジニアというよりもよりコンサルに近い立場で仕事することができます。
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パッケージ開発のつまらないところ
一方で、パッケージ開発が業務重視であるがゆえに、人によってはパッケージ開発をつまらないと感じることもあります。
パッケージ開発がつまらないと感じる理由を2つほど挙げたいと思います。
新しい技術や開発に挑戦しにくい
1つ目は、新しい技術の検証やシステム実装に挑戦しにくいということです。
パッケージシステムに多い業務系システムと言われる、SoR(System of Record)系のシステムは、守りのシステムです。そのため、新しい技術を追い求めるというよりも、どちからというとパッケージシステムをどう使えば業務がうまく回るかという視点の方が重要です。最近では、Fit To Standardといわれ、追加開発をできるだけ減らし、パッケージシステムをできるだけそのまま活用するという兆候があります。そのため、開発フェーズよりも、要件定義や設計といったより上流工程の方が重要視される傾向にあります。
したがって、普段の業務では何か技術調査をするというよりも、どうやったら業務が回るかといったように業務のことを考えている時間の方が長いです。勿論、パッケージ開発であっても、新しい技術調査をしたり、実現性可能性調査のためのトライアルをしたりということもあります。しかし、スクラッチ開発に比べて、既に出来あいのモノがあるパッケージシステムの場合は、技術要素が少ないというのも事実です。
一方、スクラッチ開発であれば、新技術を使って新しいシステムを開発したり、現行システムを調査したりする中で、様々な技術に触れる機会が多いです。そのため、技術系でキャリア形成したい人にとってはスクラッチ開発の方が向いていると言え、パッケージ開発を退屈に感じてしまうかもしれません。
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新しい発見がない
2つ目は新しい発見が少ないことです。
パッケージシステムの開発、導入に携わる場合、基本的には1つのパッケージシステムの担当となります。例えば、SAPやOracle EBSの担当になれば、基本的にはそのパッケージシステムの専門家になります。したがって、生涯に渡って基幹システムの開発、しかもその中でも販売領域の開発のみを担当するといったようなキャリアを歩むこととなります。
一方で、スクラッチ開発の場合、顧客企業のあらゆるシステムの開発に携わるチャンスがあります。基幹システムの担当になることもあれば、社内で使うツール開発の担当になることもあれば、企業が消費者向けに公開するECサイトの開発の担当になることもあります。そのため、あらゆる仕事のチャンスがあります。
このように比べてると、パッケージ開発はその領域の専門家になることはできるかもしれませんが、キャリアの幅という意味では狭くなってしまいます。それは言い換えると、日々の新しい発見が少ないということもできます。
1つのことを長く続けるというよりも、様々なことを経験していきたいという人、飽きっぽい人にとってはパッケージ開発は向いていないかもしれません。
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あなたにあったキャリア選択を
スクラッチ開発もパッケージ開発もどちらにもそれぞれで感じることができる面白さ、大変さがあります。
しかし、何より大事なことは自分にあったキャリアを選択することです。
スクラッチ開発のように技術を極めるもよし、パッケージ開発のように業務を極めるもよしです。
自分の適性を見て、最適なキャリア選択ができることを願ってます。
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