要件定義担当になったらまずはIPAドキュメントを読むべきだと思います。今回は私が読んだIAPドキュメントの中で良かったものをピックアップして紹介したいと思います。
更に、それぞれIPAドキュメントについて、私の独断と偏見で「読みやすさ」「具体性」の観点でそれぞれ5段階評価をしたので、そちらも参考にしてみてください。
IPA情報処理推進機構とは
そもそもIPA情報処理推進機構とはなんでしょうか?
Wikipediaより引用したいと思います。
独立行政法人情報処理推進機構(じょうほうしょりすいしんきこう、英: Information-technology Promotion Agency, Japan、略称: IPA)は、日本のIT国家戦略を技術面・人材面から支えるために設立された独立行政法人(中期目標管理法人)。所管官庁は経済産業省。
ウィキペディア(Wikipedia)より
ITパスポートや基本情報技術者試験などのIT国家試験を運営している組織です。
システム開発にかかわるすべての人にとって有益な情報を提供してくれているため、今回取り上げるドキュメント以外にも色々と漁ってみると良いと思います。
システム構築の要件定義に役立つポイント集
要件定義をはじめて担当する人にまさに最適の読み物です。
実際、IPA情報処理推進機構でも読者対象を次のように定義しています。
要件定義の実務経験が浅く、これから実務を任されることが想定されるユーザ企業の現場担当者
ITシステム構築の要件定義を計画しているマネジメント層
家づくりを考えている夫婦と住宅アドバイザーのやり取りをもとに、顧客(夫婦)の要求をどのように整理し、要件としてまとめていくかが説明されています。非常に読みやすく、ページ数も40ページほどのため、読みやすい書物です。
要件定義を進める中で、どういったタイミングで、何を決めなければいけないのか、何を決断しなければいけないのかが非常にわかりやすくまとめられています。
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ユーザのための要件定義ガイド 第2版
要件定義を実際に担当するには知っておくべき考え方、ノウハウが詰まっている書物です。
全部で500ページとかなりのボリュームがあるため、じっくり読むことは難しいです。そのため、読みやすさは低めですが、その分具体性もあり、様々なシーンで使えるノウハウが詰め込まれています。
ビジネス要件定義の進め方、システム要件定義の進め方、要件定義のマネジメント方法、要件定義成果物と要件定義を捌くにあたっては絶対に知っておくべき内容がここぞとばかりにまとまっています。
気になる箇所だけに絞って読むだけでも非常に有益です。また、実際の企業での活用事例なども豊富に掲載されているため、活用事例だけを読むのも有効的です。
一度だけではなく、何度も繰り返し読むことをお勧めします。
私もこちらの書物について自分の理解のために要件定義のマネジメント方法について内容を整理したことがありました。ぜひこちらを読んでから現本の方にあたってみていただければ理解がしやすいかと思います。
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システム構築の上流工程強化(非機能要求グレード)
非機能要件定義についてはこれさえ読んで、実践すれば問題ないといえる書物です。
要件定義というとどうしてもアプリケーションの機能面である機能要件に目が行きがちです。特に、はじめて要件定義を担当するような人の場合、非機能要件はとっつきにくく、嫌厭しがちです。
しかし、非機能要件は昨今益々その重要性が増しています。そのため、非機能要件定義も避けて通ることはできません。
こちらの書物について、IPA情報処理推進機構は、お客様(発注者)、社会・IT業界、開発ベンダ(受注者)にとって効果があるとしており、非機能要件定義をする際のお作法として定義してくれています。
非機能要件に関する説明は勿論、非機能要求グレードという非機能要件定義をするためのツール(Excel、手順書など)も一緒にダウンロードできます。
非機能要求グレードでは、具体的にどのような非機能要件について検討すればよいかがこと事細かに定義されています。118個の要件検討項目と、238個の指標が謳われていることからも分かる通り、最早非機能要件定義は、この非機能要求グレードの手順に沿って、示されている要件項目と指標だけを素直に定義していけば完了できてしまいます。非機能要求グレードのExcelをダウンロードして眺めるだけでも有益だと思います。
こちらの非機能要求グレードについても、私が実際に現場のプロジェクト開発で活用した時の内容を踏まえてまとめていますので、併せてぜひご覧ください。
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その他のIPAドキュメント
その他にも次のサイトで、IPA情報処理推進機構が公開する要件定義に関する読み物が一覧でまとまってます。
すべてを読むことは難しいかもしれませんが、少しずつでも読んでみるとよいと思います。
私も定期的に読み返していきたいです。
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