プロジェクトマネージャーを中心に、システム開発をリードする人であれば、システム開発工数を見積した後に、その工数に対する理想的な工期、納期について検討することは日常茶飯事かと思います。
そこで、統計情報をもとに、理想的な工期と工数を関係について理解を深めていきたいと思います。
標準工期算出の計算式

さっそく結論です。
一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が工期する2016年版の統計資料では、工期と工数の関係について次のような計算式が成り立つことを報告しています。
工期 = 2.64 × 工数^(1/3)1
これは、工数(人月)の3乗根に対して、2.64倍した値が工期だということを意味しています。
この計算式についてより理解を深めたいという方はぜひこちらの記事が参考になりましたので、併せてご覧ください。高校数学における積分を使って非常に論理的に数式の指し示す意味を考えています。

理想的な工数と工期とは

上記の計算式をもとにすると、100人月のプロジェクトの場合は、100の立方根である、4.64の2.64倍ということとなり、12.2か月ということになります。
1000人月といったように3乗根が取りやすい値の場合には、暗算で算出できますが、なかなか暗算は難しいと思います。
そこで、ここでざっと対比表を作成してみましたので、理想的な工期と工数の関係性を抑えておくのに活用してみてください。
工数(人月) | 工期(カ月) |
---|---|
5 | 4.5 |
10 | 5.7 |
20 | 7.2 |
50 | 9.7 |
100 | 12.3 |
150 | 14.0 |
200 | 15.4 |
500 | 21.0 |
10,000 | 56.9 |
いかがでしょうか?
自分が担当しているプロジェクトと比べてみて多いでしょうか?少ないでしょうか?
私個人の感覚としては(保守的なこともありますが)短いなという印象でした。
もちろん、プロジェクトごとの特性に応じて適切な工期というのは変わってくるかと思います。
しかし、1つの目安として、上記の表のような対比表が頭に入っていれば、仕事をしていくうえで1つの物差しとなり優位に働くことは間違いないと思います。
ぜひ、今回の内容を参考に、日々のシステム開発に励んていただければと思います。
参考文献
- 日本情報システム・ユーザー協会「ユーザー企業 ソフトウェアメトリックス調査【調査報告書】2016版」図表6-4-4 全体工期と全体工数の関係、区分コード310http://www.juas.or.jp/cms/media/2017/02/16swm.pdf ↩︎ ↩︎
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