【PMBOK】意味ないのか? リスクマネジメント 実務への活用方法

PMBOK

このシリーズは、私がこれまで経験したプロジェクトで培ったマネジメントノウハウを、PMBOKの知識体系に沿って、駆け出しPMの方々や新入社員向けの読み物的な位置づけでノウハウや考え方をまとめています。ぜひご覧ください。

リスクマネジメントにおける各プロセスは以下の通り。

プロジェクトは大抵の場合思うようには進みません。そして、プロジェクトは予想外が付き物です。

そんなプロジェクトを少しでも安全安心に進めるためにリスクマネジメントは存在しています。

リスクマネジメントが格段にうまいPMのプロジェクトで失敗しているプロジェクトを私は見たことがないくらいです。

リスクとは

「リスク」と一緒に用いられる言葉として「課題」という言葉があります。これらの言葉の違いについて理解しておきます。

リスク・・・将来においてプロジェクトのQCDに影響を及ぼす要因

課題・・・現在においてプロジェクト進行の問題となっている事柄、QCDSに影響を及ぼしている事柄

つまり、時間軸で考えると良いです。今問題となっていることが課題で、未来に問題となる可能性があることがリスクです。

そのため、将来課題となる事柄を事前に対処しておくことがリスク対策ということになります。

リスク分析

リスクというとプロジェクトに対して悪い影響を及ぼす要因と考えがちですが、良い影響を及ぼすこともリスクとして考えます。

そのうえで、リスク分析はリスク分析台帳を使って実施することが多いですが、その時のポイントは、リスクを影響度と発生確率という2軸で考えることです。

そして、これらは以下のようなリスク管理台帳にまとめていつでも振り返りができるようにします。

リスク対策

リスク対策は、リスク発生確率とリスク影響度をどうにかしようとすることです。

そして、リスク対策は、一般的に回避転嫁軽減受容この4つのいずれかに分類することができます。ここでは、実際のプロジェクトで最も多く採用される軽減策について解説したいと思います。

その場合、発生確率と影響度について、以下のような効果がでるように対策を検討します。

発生確率を上げるか/下げるか

影響度を上げるか/下げるか

この2方向を意識することで具体的な対策も考えやすくなるのでお勧めです。

良いリスクはその影響度・発生確率を最大化し、悪いリスクは最小化することを目指します。その他のリスク対策については、様々なところで解説がなされているのでここでは割愛させていただきます。初心者PMはまずは軽減策をマスターすることから意識してもらえれば良い効果を生むと思います。

リスク対策実行後

もし想定していたリスクが顕在化したら、計画していたリスク対策を実行に移していきます。基本的には準備していて対策を実行するだけにはなりますが、その際、ポイントとなるのが新しいリスクの存在、2次リスクです。

当初計画から何かを変更したということは、新たに別のリスクが潜んでいる可能性があります。そのため、デキるPMは今回のリスク対策の実行に伴う2次リスクがないか、その2次リスクに対する更なる対応策を検討します。

まとめ

今回はリスク対策について取り上げました。

リスクを制するものはプロジェクトを制すると私は考えています。

どれだけ悲観的に(時に楽観的に)先々を見据えることができるか、まだ見ぬ事象を可視化することができるか、これがPMに求められる”技術”だと私は考えます。

参考文献

・情報処理教科書 プロジェクトマネージャ (三好康之著)

私は2019年度版を参考にしています。

・プロジェクトマネジメント実践講座 伊藤大輔(著)

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