【要約】コンサル一年目が学ぶこと 本紹介

本紹介

今回は、私が社会人になり立ての頃に読んだ本を紹介したいと思います。

書店に並んでいるのをよく目にすることも多いと思いますが、大石哲之さん著「コンサル一年目が学ぶこと」です。

すべての仕事に通じる考え方やスキルが紹介されています。そのため、私自身社会人になってからは何年も経ちますし、コンサル業界で働いていませんが、定期的に読み返すことで、仕事に活かせるようにしています。

重要ポイント

外資系コンサルがまず身に着けるベーシックスキル30選が紹介されていますが、今回はその中から厳選した5個を私の社会人経験と共にその重要性に触れながら紹介したいと思います。

〇数字というファクトで語る

〇相手の期待値を把握する

〇「考え方を考える」という考え方

〇仮説思考

〇常に自分の意見をもって情報にあたる

数字というファクトで語る

経験の浅い者がベテランの人にモノ申し上げる時、その主張を支えるのは「ファクト」「事実」です。経験の浅い者の「意見」なんて最初のうちは相手にされません。

「事実」を伝えることの重要性の前に、大前提として肝に銘じるべきことがあります。それは、「事実」と「意見」を分けて話すことです。社会人になるとまず口酸っぱく言われます。これができないと聞く耳を持ってもらえません。

「事実」からどのように考えたかは、若手のうちはベテランの人に及ばないことが多いでしょう。しかし、「事実」は誰にも覆すことができません。

そのため、若手は「事実」を盾に戦いましょう。

そして、本書でもそうした内容を踏まえて、以下のように述べられています。

動かしようのない「ファクト」の筆頭である「数字」で語る

コンサル一年目が学ぶこと 大石哲之 (著) 

「事実」は「事実」でもより客観的で絶対にぶれないものが「数字」だと思います。そのため、数字で語られたことはそうそうに覆しようがありません。

ビジネスにとって曖昧さは時に良い効果を生むこともありますが、基本的には私は避けるべきだと思います。なぜなら、その曖昧さがトラブルの種になるからです。

そのため、定量的に物事を語るというのはあらゆるビジネスの基本だと私は思います。

「事実」を「数字」で「定量的に」語る。ぜひ意識し続けましょう。

相手の期待値を把握する

まずは本書の内容を引用します。

相手の期待を超え続けることがビジネスの基本。

そのためにはまず、相手の期待の中身を把握する必要がある。

ビジネスというのは、突き詰めると、相手の期待を、常に超え続けていくことにほかならない。

顧客や消費者の期待を超え続けていくこと。上司の期待を超え続けていくこと。

コンサル一年目が学ぶこと 大石哲之 (著) 

これはビジネスの真理です。

では、どうしたらよいのでしょうか。

本書では部下が上司から仕事を受けるときに確認すべきこととして4つのことが挙げられています。

①その仕事の背景や目的

②具体的な仕事の成果イメージ

③クオリティ

④優先順位や緊急度

コンサル一年目が学ぶこと 大石哲之 (著) 

ベタなところでいうと、私も新人の時にコピー取りをお願いされたことがありました。その時、私は教科書通りに、どのような会議で使う予定か、参加者は誰がいて何人いるのか、など依頼された内容やその目的について確認をしてからコピー機に向かいました。

このような小さな積み重ねよって、いまでも顧客や上司の期待が何かを理解して仕事に取り組む習慣が培われました。

また、経験を重ねる中で、今度は自分自身が部下や後輩に仕事を依頼することも出てきます。そうした時、ぜひこちらの期待を上述した4つの内容とともに伝えることを意識すると良いでしょう。

部下や後輩が目的を聞いてこないから伝えないのではなく、デキる上司や先輩は自分から仕事の目的や期待を伝えて、彼ら彼女らのパフォーマンスが上がるように仕向けるのです。

そういう意味で、この考え方は仕事をし続ける以上、生涯に渡って通用する考えになると思います。

「考え方を考える」という考え方

何か仕事に取り掛かる前に、仕事の進め方、手順を考えるということです。仕事というのは様々な要素によって成り立っています。そのため、何かを進めるにあたっては考えなければいけないことが多く存在します。

そのため、いきなり手を動かしはじめると次から次へと問題が出てきて、思ったように作業が進まない事態に陥ります。

どのように物事を進めればうまくコトが進むのか、どのような段取りで整理していけば滞りなく話は進むかをまずはとことん考えます。

一見遠回りに見えるかもしれませんが、考え方を整理することで作業の道筋を立てることができ、無駄な作業の発生や手戻りを事前に防ぐことができるようになります。

そして、本書でも以下のように記されているように、考え方の時点で合意することで、作業が終わった後に上司や周囲との認識齟齬を防ぐことができます。

作業を始める前に、手順を考える。その段階で合意を得る。

コンサル一年目が学ぶこと 大石哲之 (著) 

私の場合は、この考え方を考えた後、加えて、導き出した進め方、手順を必ず、言語化する、文書化するということを意識しています。

理由は2つあります。

1つは、言語化、文書化することで上司や周囲と合意形成がしやすくなるためです。後で言った言わないだのの話にもなりませんし、言語化、文書化する過程の中、考え方の誤りやお互いの認識齟齬に気付くことできます。

2つ目は、後で他の人にお願いができるようになるからです。例えば、似たような作業を繰り返して実施しなければいけない時、その作業の進め方について言語化、文書化しておくと、その内容をもって新しい人に依頼することができるようになります。そうなれば、自分は次の仕事に取り掛かることができるようになり、ステップアップにもつながります。

ぜひ、考え方を考えるという意識を持って何事にも取り掛かりましょう。

仮説思考

続いて、仮説思考についてです。

私は、本質的には、3つ目に挙げた「考え方を考える」という考え方と似ていると思っています。

どのように仕事を進めればうまくいくかという仮説を立て、その仮説通りに仕事を進めていき、うまくいかなければ仮説を見直し、再び進めていく。このサイクルが仕事の進め方の基本だと思います。

そういう意味で、仕事の進め方そのものが仮説思考だと言えます。

より仮説思考での考え方について説明したいと思います。

仕事を進める中で、〇〇のような場合は××にしようということを考えることがあります。これも、仮説思考によるものです。

本書では、次のように記載しています。

<仮説思考の意思決定>

仮説を立て、あらかじめ結論をもっておく

→現実が起こる

→仮説に沿って対応する

コンサル一年目が学ぶこと 大石哲之 (著) 

仕事において、すべてのパターンを事前に検討しておくことはなかなか難しいです。

しかし、仮説を立てておかないと行き当たりばったりの仕事の進め方になります。

それではよい成果を出すことはできません。自分で自分の仕事をコントロールするという意味でも、仮説を立てておき、仮説通りになったらそれをただただ遂行するという仕事の進め方こそ、出来る人のやり方です。

常に自分の意見をもって情報にあたる

最後に紹介するのは、「自分の意見を持つ」ということです。

これは様々なシーンで当てはまることだと思います。テレビや新聞などの情報に触れるときもそうですし、上司や先輩から仕事の説明を受けるときもそうです。

特に、若手や新人の方に伝えたいことととしては、若手や新人の方が上司や先輩に質問をする時です。何気なく「〇〇を教えてください。」「△△について相談させてください。」とただ質問や相談をしていないでしょうか?

これはよくありません。

必ず自分の意見を持つべきです。「〇〇まで理解してます、××と理解してますが、あってますか?」「△△としたいと思っていますが、いかがでしょうか。」このように、自分の意見を添えて相談すべきです。

可能であれば相手が「Yes」「No」で答えられるような質問の仕方(クローズクエスチョン)になるように意識しましょう。

このように常に自分の意見を持って情報に触れる習慣があれば、ぐっと考える癖がつき、大きく成長できるようになると思います。

最後に、本書の内容を引用して締めくくりたいと思います。

ビジネス能力を向上させるのは、情報量ではなく、考えること。考えるとは、自分の意見を持つこと。

コンサル一年目が学ぶこと 大石哲之 (著) 

まとめ

いかがでしたでしょうか。本書を読み、私が新人の時から仕事をするうえで特に意識していること5選でした。

本書ではまだまだ紹介したい内容があります。私自身も定期的に本書を読み返すことで、仕事の進め方を見つめ直し、基本に立ち返るようにしています。

本記事が何かのきっかけになり、仕事の役に少しでも立てばうれしいです。

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