今回はプロジェクトマネジメントにおける品質分析に関して、新人PM向けに解説したいと思います。
メンバであっても考え方を理解しておくことは重要ですので、ぜひご覧ください。
この記事を読んだら分かること
設計レビューや単体テストの結果に関する品質分析のポイントがわかる
品質分析のポイントから、ゾーン分析の各象限に対する考察と対策について解説しています。
品質分析のポイント
レビューやテスト結果は次のマトリクスで集計され、各成果物の品質を分析します。
縦軸に指摘密度/バグ密度を取ります。
これは、単位規模あたりの不具合量を表します。
次に、横軸には工数密度を取ります。
これは、単位規模あたりにかかった工数を表します。
そして、真ん中には、指摘密度/バグ密度及び、工数密度の上限値と下限値による品質管理目標値を設定します。基本的にはこの中に入っていれば品質的に問題ないと判断します。ただし、定量的に問題ないと判断されてしまっても、実は問題を抱えているものもあるため注意が必要です。
ここからは4つのポジションにそれぞれマッピングされた成果物に対してどのような品質的な分析、考察をすればよいか解説します。
最後に、定量的に問題ないと判断された真ん中の問題検出できない領域についてもどのように考えるべきかを解説したいと思います。
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ゾーン分析のやり方
A.工数密度低い・指摘バグ密度高い
〇考察
工数密度が低いにもかかわらず指摘/バグ密度が高いため、作りこみ品質が悪いことが考えられます。
まだまだ隠れている指摘やバグが眠っています。
〇対策
なぜ指摘/バグが多かったのか原因調査をし、状況によっては作り直しを行います。作り直しは追加工数がかかることにはなりますが、立ち止まるという思い切った英断が時には必要です。
また、追加レビュー、追加テストによって指摘、バグ漏れの抽出を行います。
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B.工数密度低い・指摘バグ密度低い
〇考察
工数密度が低いため、指摘・検出されていない指摘やバグが存在している可能性が高いです。
〇対策
追加のレビュー、追加テストを実施して指摘、バグの漏れの抽出を行います。
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C.工数密度高い・指摘バグ密度高い
〇考察
摘出されるべき指摘やバグは摘出され、品質は高まっていると考えることもできます。
ただ、指摘、バグ漏れも多少存在する可能性があるため注視が必要です。
〇対策
なぜ、指摘、バグが多かったのか原因調査を行って改善を図ります。
必要に応じて、追加レビュー、追加テストを実施しますが、あまり実施する必要はないと考えてよいです。
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D.工数密度高い・指摘バグ密度高い
〇考察
成果物の品質は作りこまれた時点で良好だということが推察できます。
しかし、同じレビューアやテスターが担当した成果物がこの領域に多くマッピングされている場合はレビューアやテスターのスキル不足を疑う必要があります。
〇対策
レビューアやテスターのスキル不足が考えられる場合には、追加レビュー、追加テストを実施して再度品質確認を行います。
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問題検出できない領域
定量分析の結果では、どうしても品質的に問題ないという判断されてしまいます。
基本的には問題ありません。
ただし、この領域にマッピングされた成果物であっても品質管理担当の判断で個別に点検することが望まれます。
難易度が高い成果物、重要な機能に関係する成果物についてピックアップをして現地現物を確認します。
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まとめ
以上、今回は品質管理に関してゾーン分析の4つのポジションについてどのように考えるべきかまとめました。
端的にまとめましたので、今後品質管理をする際の参考になれば嬉しいです。
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